今はどこまで進んでいるか?巴波川地下捷水路

先日、用事が有って栃木の市街地に出かけました。その時、道路脇にこのような表示が置かれていました。
シールドマシン現在位置2.jpg シールドマシン現在位置1.jpg

<シールド機 現在位置>と表示されています。
現在、栃木市の街の真ん中で、地下トンネルの掘削作業が進んでいて、この掲示は掘削作業の現在位置を表示しているもです。
栃木市の市街地は、平成27年の関東・東北豪雨により、街の中心を縦断するように流れている、巴波川が増水して溢れ、商店街や住宅などに大きな被害をもたらされました。更に、それから4年後の、令和元年の東日本台風に伴う豪雨により、栃木の中心市街地は、再び甚大な被害を、被ることとに成ってしまいました。
今まさにその対策として、巴波川の水が豪雨にさらされても増水して溢れないようにする為、巴波川の流れが市街地中央区域に流れ込む前に、分水する工事を進めています。

栃木の街は、かつては巴波川の舟運によって、江戸(東京)との交易がおこなわれ、発達をして来ています。巴波川は、栃木の住民にとっては、恵みをもたらす、重要な河川でした。その反面一度豪雨等によって水量が増すと溢れ出して、明治・大正・昭和と、毎年のように浸水被害が繰り返されていました。
それが、昭和26年以後、今回の災害が発生するまで、殆ど起きていなかったのです。その要因は、昭和26年市内小平町にて巴波川に合流していた「赤津川」の流水を、その上流に当たる吹上町の伊吹山下流付近から、新たに水路を開鑿して、錦着山北西部にて、永野川に接続させる、一大バイパス水路工事「赤津川分水路」を完成させた結果でした。

今回の対策も同様に上流からの流れを、バイパス水路によって分水させ、巴波川の水量を増水させないようにするものです。
そして今回のバイパスのルートは、地下トンネルにする方法で進められているのです。

私がシールド機の現在位置を見た時は、丁度銀座通りの「倭町交差点」近くで、足利銀行栃木支店の目の前でした。それから1週間ほど経っていますから、今はどこまで掘り進められているのか。
トンネルを掘る「シールドマシン」の掘削速度はどれほどなのか。これには掘る地盤の状態で大きく変わるのでしょうが。
今、シールドマシンは、万町の大通りの下、10m程の地下を、北に向かって真っすぐに掘り進んでいます。その速度は1日で「10m」とも言われています。ただカーブ等でシールドマシンが曲がって掘る時は、相当ゆっくりになるのだろうと想像します。

地下トンネルのルートは、「栃木土木事務所のホームページ」や「永野川・巴波川改良復旧工事等安全協議会」が発行している「かわら版」で広報されています。

巴波川から地下トンネルへの流入口は、栃木第三小学校の北で、巴波川と荒川との合流点の直下、巴波川に架かる「原ノ橋」の北東側橋詰で、現在「流入立坑」の工事が進められています。
流入側立坑工事風景.jpg

一方、巴波川の下流、県立学悠館高校の東側に造られた流出側立坑では、今年の3月24日にシールドマシンが採掘を開始して以来、採掘によって発生した泥などが運ばれて来ていて、付随の処理施設でふるい分け後、大型ダンプカーにて次々と搬出されています。
流出側処理施設.jpg
巴波川に架かる「平成橋」の下流側右岸に造られた、トンネルの採掘にともない発生した泥水を処理する施設。設備の稼働に伴い発生する音や振動を、外部に漏らさない様、設備全体を防音建屋で覆っています。

シールドマシンはここ流出立坑から投入され、ひたすら上流の流入側立坑に向けて、トンネルを掘り続けています。
最初は、巴波川の河道に沿って、平成橋から新橋の下を抜けて進み、開明橋の下流部から右にカーブを切り、沼和田街道の下を掘り進み、「古里屋」さん前の「室町五差路」の所で、また少し右にカーブし大通りの下に入り、そこから1.6kmほど北方向に進み、昭和町の足利銀行新栃木支店前の「新栃木駅入口交差点」で、90度左に向きを変え、今度は西方向に0.5kmほど掘り進めば、ゴールの流入側立坑に到着します。
巴波川に架かる新橋.jpg
(上掲写真、手前高欄は巴波川に架かる「平成橋」、前方の橋は「新橋」。この辺は巴波川の河道の下に、トンネルが出来ています。)
室町五差路.jpg
(室町五差路で、トンネルは手前から右上方の蔵の街大通りの下通っています。)
蔵の街大通り.jpg
(倭町の蔵の街大通りの車道下、約10mにトンネルが抜けています。)

それでは、これまで掘られてきたトンネル内部はどうなっているか。
私が以前見学した東京都の施設、「神田川環状七号線地下調節池」で撮影した、トンネル内部の写真を、参考に紹介します。
地下トンネル内部(神田川地下貯水関連施設).jpg
シールドマシンの先端のカッターヘッドを回転させて、前方の岩盤に穴を開け、シールドマシンの後方にて、開けられた穴の壁面に、セグメントを設置していきます。上掲のトンネル内部の壁面を見ると、大きなコンクリートのブロック(セグメント)を、タイルを貼る様に設置している様子が確認できます。
実際のトンネル内は、全く照明設備が有りませんので、漆黒の闇の中です。見学会では携帯できる照明が設置されて、内部を見学できるように準備されていました。

今、毎日、私たちが生活している街の下で、将来に渡って巴波川と蔵の街栃木の安全を守ってくれる、「巴波川地下捷水路」の工事が、多くの人達によって進められています。これからも事故無く完成されることを、願っています。

今回の参考資料:
・栃木土木事務所ホームページ
・永野川・巴波川改良復旧工事等安全協議会発行「かわら版Vol.1」

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